溶融塩浴流動粒子カソードプロセスによるCO2からの機能性炭素材料の生成と形態制御

夏井 俊悟
(北海道大学 大学院工学研究院 助教)

2016年6月1日水曜日

Seattle visiting

こんにちは。
北海道大学大学院工学研究院の夏井俊悟です。
このたび国際科学技術財団のご厚意で私の普段の研究生活をこのような形で皆様にご紹介できる機会をいただきました。
皆様にとって有用な情報を提供できるか多少心配ではありますが、気軽に楽しんでいただければ幸いです。

今回は、ちょうど海外出張から帰ってきたばかりなので、少し紹介させていただきます。
5/22-25にアメリカのシアトルで開催された10th International Conference on Molten Slags, Fluxes and Salts (MOLTEN2016)に参加してきました。
http://www.tms.org/meetings/2016/molten16/home.aspx#.V06SsPmLRD8

シアトルはご存知の方も多いとは思いますが、航空機のボーイング社やITのマイクロソフト社、amazonなど多くのハイテク産業を排出したエメラルドシティと呼ばれる街です。
また、シアトル系コーヒー発祥の地でもあり、スターバックスコーヒーの1号店もあります。
メジャーリーグ好きの方にとっては、青木・岩隈両選手が所属するマリナーズが有名ですね。

 

space needleと呼ばれるシンボルタワーや現代アート美術館など、それほど広くない街にたくさんのオブジェがひしめいていました。

さて、そんな世界的な都市で開催されたMOLTEN2016の会場は、Grand Hyatt Seattleという歴史のある非常に趣のあるホテルです。
このMOLTENは、高温融体を利用した金属と素材生産の持続可能性(サステナビリティ)をテーマとした材料工学の代表的な国際会議として知られています。
会議の主要目的は、近年の乾式製錬技術、高温融体物性、低炭素化、レアメタルリサイクルに関する知識を共有するためのフォーラムを複数提供することで、私が専門とする低環境負荷を目指したプロセス開発に関する最近の進歩とそれに関連した技術展開、経済的利点についても議論の対象でした。
今回大会では250件を超える発表がありました。

私は、金属融体と酸化物融体との界面形状と流れに関する近年の研究成果を発表し、当該分野を専門とする各国の研究者から種々議論いただきました。
発表内容は、すでに論文も掲載されておりますので、ご興味があればそちらもご覧いただければ嬉しいです。
S. Natsui, et al., Metall. Mater. Trans. B, 47(3), 1532-1537, 2016.
http://link.springer.com/article/10.1007/s11663-016-0618-9
S. Natsui, et al. Chem. Eng. Sci., 141, 342–355, 2016.
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0009250915007356

発表後には、世界的に活躍される研究者から貴重なアドバイスを得ることができました。
また、カナダのMcMaster大学Prof. Coleyの研究室で行っている脱リン反応を伴う融体界面のin-situ観察というホットな研究発表を議論したり、ベルギーのumicore research社の方と至近の数値流体力学(Computational Fluid Dynamics, CFD)のソフトウェアに関する情報交換の機会も得ることができ、文化交流としても大変有意義でした。

 

発表会場と私の発表の様子です。やや緊張気味の様子がわかりますね^^;
これは質問に答えているときだと思うのですが、発表よりも質問を受けたときのほうが緊張します。
しかしそれは、遠路はるばる学会に来た一番の収穫、もっともエキサイティングな瞬間でもあります。
それは、普段研究室で議論している内容とはまったく異なる、思いもかけないことを聞かれることがしばしばあるためで、新たな研究の着想を得たりすることも多いのです。
私はこの学術界に身を置いて日が浅く、まだまだ経験不足ですので、これからも積極的に「国際的な科学技術」の進歩に少しでも貢献できるように頑張っていきたいと思っております。

雑駁な文章になってしまいましたが、お目通し頂いてありがとうございました。
また機会を得て、執筆させていただきたく思います。

3 件のコメント:

  1. 財団の中原です。こんにちは!

    ワクワクしながら研究に取り組んでおられる様子が目に浮かびます。今後も、面白い記事を投稿していただけるようお願いいたします。

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  2. シアトルではお世話になりました。
    日本ではSlagとMolten saltは別学会ですが、
    アメリカでは同じコミュニティなんですよね。
    非常にいいことだと思いました。

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  3. 中原様
    コメントをいただきありがとうございました。今後、何か面白いトピックをアップ出来たらと思います。

    安田先生
    いつもありがとうございます。分野横断的な本会議はとても有意義でした。Molten Salt Electrolysisについて丁寧に解説された安田先生のご発表、大変参考になりました。

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